ある村の奥に魔女が住んでいました。彼女は村を襲う獣を食い止める魔法をかける代償として、十年に一人、若い娘を生贄として差し出すことを村に約束させていました。そして十年の境、此度選ばれたのはあるふくよかな少女でした。継母にいびられ、義弟には良い様に使われ、それでも明るく生きてきたその少女。彼女は継母に言われるまま、森の奥へと歩みを進めてしまいます。自分が生贄にされることなど露程も知らず、ただ純粋に「お見舞い」に行くのだという嘘を信じて。A子がお送りします「贄の赤ずきん」、少女は何に対しても、あまりにも無知でした。

美しくふくよかな少女は、継母の姦計によって贄に選ばれ、そして…

意地悪な継母と、継母そっくりな意地悪義弟に、彼女らを止められない気弱な父。そんな家庭にありながらも、少女はただ好かれようと掃除も洗濯も、一生懸命にこなしていました。いくら頑張っても継母が彼女を愛する可能性などないということは、少し頭が残念な少女にとって、知る由もないことでした。そしてある日、少女は継母に森の奥に住むおばあさんのお見舞いに行くことを申し付けられます。少女はそれが何を意味するのかも知らずに承諾してしまいます。無邪気に継母の買った赤いずきんを身に着けて、森を歩いていきました。



あまりにも目立つ赤いずきんを身に着けて森の奥へ行くことは、その村では魔女の生贄となることを意味していました。しかし少女はそれを知る機会などありませんでした。継母は少女が無知なのを良いことに、生贄に選ばれやすい様彼女の肉付きが良くなるように良いものを食べさせていました。継母の企みは見事成功し、少女は生贄として選ばれてしまったのでした。「贄の赤ずきん」、十年前に生贄にされた少女と同じ様に贄としての終焉を迎えるのか、はたまた別の未来を辿るのか、その匙加減は乙女の皆さまの舵次第…。

 
タイトル：贄の赤ずきん
サークル：A子
作品形式：ゲーム
価格：1,296円